京都の喫茶店/木村衣有子
京都には気になる喫茶店がたくさんある。
京都に行きたい。
目的は観光ではなく、喫茶店や古い洋館を見てまわりたいのだ。
そこで手にとったこの本。
巻頭の写真がいい。
京都に住み、京都の喫茶店で働いていたことのある木村衣有子さんが、
実際に取材して書いた喫茶店の本。
この本を読んでからその喫茶店に訪れたら、
より深く楽しめると思う。
お店のコーヒーのこと、サンドイッチのこと、カップのこと、
トーストのこと。
もちろん何一つ知らなくても、良い時間を過ごせるのが喫茶店。
本の中ほどにある対談で、寺山修司の言葉がでてくる。
「若者はみんな貧乏だけど、街が自分の部屋だと思ったらいい」
本屋さんが自分の本棚だと思ったらいいし、
レコード屋さんは自分のレコード棚だと思ったらいいと。
この考え方は素敵だね。
私は今、図書館が自分の本棚になっている。
いつでも取り出せるようにこうして記録をつけている。
話がそれました…。
「今は自分の部屋の中にほとんどあるから、街との関係が変わってる」
「学生と街の関係が結果的に変わった感じで、街自体は変わってないんじゃないかな。」
鷲田清一さんの言葉。
喫茶店もきっと変わっていない。